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【シリーズ1-4】改革を実現する「設計モデル+CPQソリューション」

更新日:2月8日

製造業の量から質への転換、マスカスタマイゼーションを提案する本コラム、前回は受注プロセスの不適合によって、海外で思うように売上を出せずにいたA社のケースをご紹介しました。


今回は、A社に提案したCPQソリューション導入による受注プロセス改革について掘り下げていこうと思います。


受注プロセスを大きく変える「CPQソリューション」


A社はもともと、国内では顧客の要求に対して都度個別に見積もり、仕様検討を重ねていましたが、必要な仕様ラインナップを事前に揃え、クイックに提案するスタイルへと転換しました。これを実現したのがCPQソリューションです。


CPQはシステムツールで、「Configure」「Price」「Quote」の3つの機能を持っています。

Configure:製品仕様の意味。サイズや速度などの要求を打ち込めば適切な仕様を提示してくれる機能で、見積もり作成時に製品やオプションを容易に決定できる。

Price:値引きや決裁承認といった社内ルールを反映した価格提示機能。

Quote:上記を反映した見積書や契約書を作成し、管理する機能。


CPQソリューションのメリットとは?


一般的に言われるCPQの最大のメリットは、商談・受注プロセスを大幅に効率化できる点にあります。顧客に話を聞きに行き、カタログを見ながら説明を行い、技術スタッフに確認を取りながら仕様をすり合わせ、見積依頼を出し、見積書を作成するという一連のフローを、高度な技術知識を持たない営業担当者1人が、わずかな日数で完結させることができるのです。


CPQがあれば、個別受注生産の受注を狙いながらもコミュニケーションの壁が立ちふさがっていたA社のようなケースでも、効率よく正確な受注を獲得できるようになるわけです。



CPQソリューションの真の価値は設計にあり


とはいえ、ツール上で多様な顧客要求を網羅しようとすると、その裏側には膨大かつ緻密な設計が求められます。要求に対し都度検討で応えていたあらゆる設計を網羅するわけですから、場合によっては一兆通りもの製品仕様や設計ルールを予測して組み込んでおく必要があるわけです。


YDCはここに、設計改革をもたらすことに成功しました。個別の機種に対して固有の部品が紐づく設計から、標準部品、共通部品の組み合わせによって多様な機種バリエーションを実現するモジュール化(製品群管理)という独自の方法論を用いたのです。


さらに我々は、部材のモジュール化だけでなく、考えた人間の頭の中をモジュール化することも実現しました。あらゆる設計プロセスなどの手順を構造化、可視化し、仕様や仕様間の排他ルール、技術計算のロジックなどをルール文書として整備、CPQのコンフィグルールエンジンにインポートして実装。販売するサービスやシステム、製品単位で、既存情報をいつでも誰でも取り出して最短で同じ開発が行えるよう、形式知化できるようにしたのです。


トレンドを踏まえたマスタへ日々更新


さらに、日々のビジネスの変化に合わせた拡張にも耐えられるものであり、日頃の事業活動にフィードバックを反映する仕組みも盛り込みました。昨年売れた製品、先月商談した要求仕様をマスタデータに反映し、最新トレンドを踏まえて売れる製品のバリエーションを幅広く、そして最適な形で進化させていくことができます。


納品までのリードタイムをトータルに削減


さらにYDCのCPQソリューションで特筆すべきは、受注プロセスの効率化を超えて、生産〜出荷までのトータルのリードタイムを効率化できる点です。引き合い〜見積もり〜受注プロセスの「セールスコンフィグ」では一般に言われるメリットとして要求に対してスピーディに製品仕様と見積を提示でき、かつ仕様間排他や技術計算を反映可能。


そして受注後の前例検索〜受注設計〜生産調整といった製造段階の「デザインコンフィグ」では、製品仕様に対応するBOMの展開や、モジュール化したルールの組み込みによって設計レスと受注設計部分を切り分けた進行が可能です。結果として、ラインナップ拡大や設計変更も用意に対応できるようになります。


YDCでは、このCPQソリューションとその裏側を構築する方法論(コンサルティング)をセットでご提案し、おかげさまで大変ご好評いただいています。


最後、少々セールス要素が強くなってしまいましたが、それほどに自信のあるコンサルティング+ツールであることは、改めてお伝えさせてください。


次回は、ここまでお話してきたマスカスタマイゼーションの実現のためのプロセスを、整理して改めてお伝えします。









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